常神半島の西側海岸線を走る県道216号線(常神三方線)の神子地区と小川地区を結ぶトンネルの建設
県道216号線は若狭町常神から若狭町三方までの延長約25kmの県道になります。
そこは、連続する漁業集落と若狭町中心部を結ぶ重要な生活道路であり、そして若狭湾国定公園内の常神半島を縦貫する観光ルートでもありました。
しかし、本改良区間(神子~小川 L=約4km)は、リアス式海岸に特有な地形の山肌を縫うように走る線形不良区間で、その83%が幅員狭小となりました。
平成14年3月に小川地係では、法面崩壊による長期の通行止めが発生し、半島先端集落が孤立する状態になり、また平成23年5月30日にも神子地係においては、法面崩壊による通行止めが発生している事から、生活道路や観光道路としての安全で円滑な交通の確保が急務となっていたのです。
これらの対策として、神子トンネルの整備を中心とした道路改良事業を実施し、上記課題の解決に取り組んだ工事となりました。
新たな分野への挑戦
トンネルに関しては、通常の2車線道路トンネルにあたり、支保の重みや施工性を考慮して、トンネル計画高の頂点で工区分けを行った結果、神子工区483m(トンネル総延長889m)となりました。
工事の主な施工方法としては、NATM工法を用い、掘る作業《掘削作業》から保護する作業《支保作業》、そして掘った土砂を坑外へ運び出す作業《ズリ出し作業》を順次繰り返しました。
一連の流れの後に、覆工コンクリートの打設を行い、漏水やビビ割れ等の無い、均質的な弧を描いたコンクリートに仕上げました。
今回の工事では、施工サイクルの短縮や適切な工程管理を徹底して行った結果、9ヶ月もの工期短縮を達成することが出来ました。